石けんの原料「カセイソーダ」って劇薬だけど大丈夫なの?
2017/06/14
純粋な石けんとは、「油脂とカセイソーダ」でできているのよ。じゃあ、その「カセイソーダ」って何なのかしら?
実は「カセイソーダ」は強アルカリ性で、劇薬に指定されているのよ!
えーー、そんな薬品を使ってて、大丈夫なの?って心配になるでしょう?でも、油脂と反応したら中和されて弱アルカリ性の石けんになるの。つまりこれが「脂肪酸ナトリウム」というものね。これはもちろん弱アルカリ性だから安全よ。安心して使えるし、純粋に石けん素地だけの石けんだから、比較的肌にやさしい石けんと言えるわね。
ただし、「カセイソーダ」自体は劇薬だから、直接手で触れると皮膚がただれたり、目に入ると失明することだって考えられるわ!手作りで石けんを作る時は、手袋をしてめがねで目を守ったりして、十分に注意することが大切よ!
さてさて、石けんになってしまえば安全ということはわかったけど、そもそも「カセイソーダ」って何?ということについて説明するわね。
やっぱり大元は石けんの製造に関わることで誕生したの。カセイソーダがない頃は、木灰や海藻の灰を油脂と混ぜ、加熱してから作っていたのよ。
ところが18世紀になって、海水から「水酸化ナトリウム=カセイソーダ」を作る方法が発明されたの。もともとマルセイユ石けんなどで、石けんを作ることがさかんだったフランスで発明されたカセイソーダによって、工業的にたくさん石けんが作られるようになったのね。
現代では、化学工業の基本的な原料の1つになっていて、紙やパルプ、繊維、染料、食品工業などの多くのものを作るのに使われているのよ。
日本では、作られているカセイソーダの0.2%しか石けんに使われていないんですって。
カセイソーダ自体の作り方は、ルブラン法とかソルベイ法とかあったみたいだけど、今は海水の塩を電気分解するっていう方法で作られているそうよ。原料が海水ならなんとなく安心な気がするわね。
でも、この方法だと副産物として一緒に塩素や塩素ができてしまうの。これも塩化ビニールとかのプラスチック原料になったりして、役に立っているそうよ。
なんと!化学調味料のグルタミン酸ソーダも、カセイソーダが原料なんですって!つまり塩分ってことだから、塩分を気にしている人は気をつけてね!
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